税関から任意放棄を要求されたときの対応方法

仕入れてはいけないものを仕入れた際は、税関から任意放棄を求められることがあります。例えば、ブランドのコピー商品を輸入したり、無許可で医療品を輸入したりした場合です。この対応方法について、解説します。

FedexやUPSなどのクーリエの場合

FedexやUPSなどのキャリアサービスを利用している場合、彼らがそれらの代行処理をしてくれる場合が多く、彼らの通関担当から「放棄でいいですか?」と聞かれて「はい」といえば、その対応を代行してくれます。そのため、かなり早く正確に対応が可能です。ただし、放棄した分の仕入れ品は破棄されますので、その分の損失はどうしても出てしまいます。

それを踏まえても「この商品輸入できるかどうか微妙」かなという場合でも、迅速な対応ができるので、ある程度の安心感があります。もちろん、事前に輸入代行業者やクーリエ自体に確認することをオススメします。

EMS(国際スピード郵便)の場合

一方で、EMS(国際スピード郵便)を利用している場合、輸入の可否が疑わしい場合は、すべての手続を自分自身で対応をしなければなりません。結論からいえば、この手続きには最低でも数日の時間がかかります。その分、輸入が遅延します。EMSのメリットは多々ありますが、このリスクをしっかりと理解するようにします。

任意放棄までの対応手続き

  1. 税関(東京なら東京税関外郵出張所)から簡易書留(速達)で通知が来ます。輸入ができないものが含まれている場合は、任意放棄の手続きが必要になります。


  2. 記載のある税関の電話番号に連絡をしましょう。電話に出たらすぐにはがきに記載のある「通知番号」を伝えます。基本的には電話を取った方が今後の担当になります。担当者の名前は必ずメモしておきましょう。
  3. 電話口の方に速達はがきに記載のある通知番号を伝えます。すると、詳細を教えてくれます。
  4. 任意放棄の対象となるかどうか曖昧な場合は、どのように判断するかを指示されます。例えば、医療品に該当するかどうか判断が分からない場合は、薬事監視指導課に連絡するように指示されます。食品や食器の場合は食品監視課へ連絡するように言われます。税関職員では判断ができないので、必ずこれらの機関に連絡をして確認しましょう。
  5. 結論として、任意放棄に至った場合、税関に「任意放棄書」を提出します。書類は税関から郵送で送付されますが、フォーマットはウェブでダウンロード可能です。送付まで時間がかかりますので、ウェブでダウンロードして記入し、送付する旨を伝えるのがオススメです。

    税関「任意放棄書」フォーマット

    必ず記入する「品名」「数量」「備考」など記載内容を担当者に聞きましょう。

    東京税関から送られてきた任意放棄書の例

  6. 記入後、郵送の場合は同封の封筒に切手を貼って、ダウンロードしたフォーマットに記入する場合は、担当から指示された住所に送付しましょう。
  7. 到着次第、任意放棄された品を除いた荷物が到着します。

以上です。